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広告運用

広告運用は内製か外注か、決める前に見る5つの条件

兼務で広告を回しているが、外に頼むべきか迷っている。

 公開 | 文:関 秀平(取締役副社長)

白い机の左側でノートパソコンに手を置く人と、右側から書類のフォルダーを差し出す別の人の手元

この記事では、広告運用(Google広告やMeta広告の設定・調整・改善)を社内でやるか外に頼むかを決めるときの物差しを、5つの条件の表で比べます。あわせて、内製で最初にそろえるもの、外注しても社内に残る仕事、途中で切り替えるときの注意、半分ずつ頼む形も書きました。

福岡の中小企業では、広告の担当者が営業や出荷、店舗の仕事と兼務している場面がよくあります。そのため「内製か外注か」は、広告の知識の多さよりも、誰の時間をどこに使うかで決まることが多いです。兼務の担当者が、自社の場合を判断できる材料を並べます。

内製と外注を分ける5つの条件

次の表は、内製に向く場合と外注に向く場合を、5つの条件で並べたものです。左右のどちらに多く当てはまるかを数えると、おおまかな向きが見えます。

条件内製に向く外注に向く
社内の人の時間広告の担当に、週に数時間を固定で割ける担当が他の仕事と兼務で、広告の時間が日によって消える
商品数売る商品が少なく、広告の入れ替えがあまりない商品が多く、商品ごとに広告文や画像を作り分ける
広告費の規模広告費が小さく、運用費を払うと広告に回す分が減る広告費が大きく、数%の改善が金額に響く
在庫・出荷との連動在庫と出荷の動きが担当者の目に入り、すぐ広告に反映できる在庫の情報を、決まった形で定期的に依頼先へ渡せる
クリエイティブを作れる人画像や文章を作れる人が社内にいる社内におらず、広告のたびに作る時間も取れない

一般的な傾向を整理したものです。業種や商品によって当てはまり方は変わります。クリエイティブは、広告に使う画像・動画・文章のことです。

5つのうち、見落とされやすいのは在庫・出荷との連動です。手動で作った広告は、商品が売り切れていても、止めない限り配信され続けます。在庫の動きを毎日見ている人が広告も触っていれば、品切れ前に広告を絞る判断が早くなります。外注の場合は、在庫が減ってきたことを依頼先に伝える連絡の道筋が要ります。この道筋がないと、売り切れた商品に広告費を使い続けることになります。

広告費の規模は、運用費の重さに直結します。外注の料金には、広告費の何%かを運用費とする料率制と、毎月の金額が決まっている固定制があります。固定制では、広告費が小さいうちは広告費に対する運用費の割合が重くなります。それぞれの考え方は料率制と固定制の分かれ目と料率制と固定制のどちらを選ぶかに書いたので、ここでは詳しく触れません。

どちらに多く当てはまるかが目安です。ただし「社内の人の時間」が取れない場合は、ほかの条件が内製向きでも続きにくいので、この条件を先に見てください。どちらとも言えない項目が多い場合は、後ほど説明する半分ずつの形が候補になります。

内製で最初にそろえる3つのこと

Play Valueの副社長の関は、いまも福岡のECメーカーで役員を務めています(ここに書くのは関の経験で、Play Valueとしての取引実績ではありません)。メーカー側でMeta広告とGoogle広告を運用してきた経験があり、広告代理店を30社あまり訪ねたうえで、広告の運用を社内でまかなう形を作りました。その経験から、内製を始める前にそろえておきたいものを挙げると、アカウントの名義、成果を数える設定、広告に使う時間の3つです。

1つ目は、広告アカウントの名義です。広告アカウントは、運用の履歴と成果データがたまる入れ物です。自社の名義で作り、管理者の権限を2人以上に持たせておくと、担当者が休んだり辞めたりしても、中身が見られなくなる事態を避けられます。個人のアカウントで始めていた場合は、最初に会社の名義へ整理します。媒体ごとの権限の呼び方や手順は変わることがあるため、最新の内容は各媒体の公式の案内で確認してください。

2つ目は、成果を数える設定です。広告から何件の購入や問い合わせがあったのかが数えられないと、運用の良し悪しを判断できません。購入完了や問い合わせ送信完了の画面で、広告媒体に成果を知らせる設定を入れ、実際の注文数や問い合わせ数と大きくずれていないかを照らし合わせます。ここが曖昧なまま始めると、数字の見方が毎月変わり、内製の利点である「自分で判断できる」ことが成り立たなくなります。

3つ目は、広告に使う時間です。仮に、すでに配信が動いている広告が1つの媒体に数本あるとして、数字の確認と調整だけなら、週に数時間が目安になります。新しい広告の画像や文章を作る時間は、これとは別に要ります。この時間を、担当者の他の仕事を減らして確保できるかどうかが、内製が続くかを左右します。週の予定表に、広告の時間を先に書き込むところから始めてください。

3つがそろっていれば、小さい広告費から自社で試せます。そろっていなければ、先にそろえてから始めます。

外注しても社内に残る仕事

広告運用を外に頼んでも、広告に関する社内の仕事がなくなるわけではありません。依頼先が自分では持てない情報と判断が、社内に残ります。大きく3つあります。

1つ目は、在庫と原価の情報です。原価と送料、手数料を引いた粗利が分かって初めて、1件の購入にいくらまで広告費を使えるかが決まります。この数字は依頼先には分からないので、社内から渡すことになります。在庫も同じで、入荷の予定は月に1回など決まったタイミングで、欠品しそうな商品はその都度、依頼先に伝える流れを作っておくと、売り切れた商品への配信を減らせます。

2つ目は、商品の強みの説明です。広告文や画像の元になるのは、お客様がなぜその商品を選ぶのかという情報です。使っている人の声、問い合わせでよく聞かれること、他社の商品と迷われたときの決め手は、商品を扱っている社内の人のほうが持っています。依頼先に渡す材料が薄いと、広告の言葉も薄くなります。

3つ目は、判断です。広告費を増やすか減らすか、成績の悪い広告を止めるか、セールに合わせて予算を動かすかは、売上と資金繰りが分かる人が決めることです。依頼先は数字を見て提案できますが、決める責任は社内に残ります。月次の打ち合わせに、決める権限のある人が出られるかを先に確認してください。

依頼先を選ぶときの確認項目は、広告運用の依頼先を選ぶ前に確認する5つのことにまとめています。上の3つを社内で用意できるかを考えたうえで確認項目と見比べると、見積りの読み方が変わります。

半分ずつ頼む形もある

内製か外注かの二択にしなくても構いません。たとえば、最初のアカウント設定と計測の整備、月に1回の見直しだけを外に頼み、日々の数字の確認や予算の調整、広告の入稿は社内でやる、という分け方があります。

この形が向くのは、担当者はいるけれど広告の経験が浅い場合や、設定の土台だけは正しく作っておきたい場合です。月に1回、第三者の目で数字を見てもらうと、自分では気づきにくい設定の抜けや、止め時を逃した広告に気づきやすくなります。

注意したいのは、誰がどこまで触るかを先に決めておくことです。社内と依頼先の両方が予算や広告の設定を変えると、数字が動いたときに原因が分からなくなります。たとえば「日々の予算の調整は社内、広告の構成の変更は月次の打ち合わせで依頼先と相談してから」のように、紙1枚に書いて共有しておくと、混乱が起きにくくなります。

途中で切り替えるときの注意

最初に決めた形を、ずっと続ける必要はありません。広告費が増えたとき、担当者が変わったとき、商品が増えたときが、見直しの時期になりやすいです。切り替えるときに起きやすいことを、向きごとに書きます。

外注から内製に切り替える場合は、次の4点を先に確認します。

  • アカウントが自社名義かを確かめます。依頼先の名義だった場合は、データを持ち出せるかを先に聞いてください。
  • 成果の数え方を書面でもらいます。どの画面で何を成果として数えているかが分からないと、内製に移った後で数字がずれます。
  • 全部を一度に引き取らず、しばらくは依頼先と並行して、数字の見方を教えてもらいます。期間の長さは依頼先と相談して決めます。
  • 切り替えの直後は、広告の構成や予算を大きく変えません。成績が落ちたときに、切り替えのせいか広告を変えたせいかが分からなくなるためです。

内製から外注に切り替える場合は、社内にある情報を渡す作業が中心になります。

  • これまでの運用のメモを渡します。止めた広告と止めた理由、試して効果がなかった施策、季節ごとの動きを書いておくと、同じ失敗を繰り返さずに済みます。
  • 成果の数え方を伝えます。購入だけを数えるのか、カート追加も数えるのかで、依頼先との数字の比べ方が変わります。
  • 切り替えは、担当者が辞める前に済ませます。辞めた後だと、広告の背景を知っている人がいなくなり、引き継ぎが進みません。
  • アカウントは自社名義のまま、依頼先に権限を渡す形にします。

どちらの向きでも、切り替えた月は成績が揺れやすいものです。セールの直前など広告費の大きい時期を避けて切り替えると、揺れの影響を小さくできます。

Play Valueに頼む場合

Play Valueは、福岡市東区の販売支援・集客支援の会社です。Meta広告運用・Google広告運用は、それぞれ月額150,000円(税別)からで、広告費に料率をかけず、作業の量で月額を決めます。初月は初期設定の期間で、月額に含みます。作業が増えるときは先に相談し、広告を減らして作業が減れば、見直す前の金額に戻します。

設定と月次の見直しだけ、といった範囲を絞った頼み方ができるかは、内容を伺ってお答えします。広告アカウントはお客様の名義で作り、権限をいただいて運用します。福岡市・近郊は、訪問の交通費をいただきません。それ以外の地域は実費で、金額は先にお伝えします。内容はGoogle広告運用とMeta広告運用のページにまとめています。成果の保証はしません。社内で続けたほうが合う場合は、そうお伝えします。お問い合わせはフォームから受け付けています。

よくある質問

この記事についての質問

最初に見るのは、アカウントが会社の名義か、成果が数えられているか、担当者が時間を取れるかの3点です。どれかが欠けると内製は続きにくくなります。広告費が小さいうちにこの土台を作っておくと、後で広げやすくなります。

運用には広告費の大小にかかわらず一定の作業が発生するため、広告費が小さいと運用費の割合が重くなります。その場合は、自社で小さく試し、成果の数え方だけ整えておく選び方があります。迷うときは見積りを出してもらい、広告費に対する割合を確認してください。

アカウントとデータが自社に残るかどうかです。依頼先の名義だと、過去の運用データを持ち出せない場合があります。名義の確認とあわせて、成果の数え方を書面でもらい、しばらく並行して運用する期間を取ると、切り替えが進めやすくなります。

自社の場合はどうか、を一緒に考えます。

記事の内容について、自社に当てはめるとどうなるかというご相談も承っています。