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サイト制作

WordPressとPHPの脆弱性、まず確認することと脱WordPressの進め方

WordPressの脆弱性、うちは大丈夫か分からない。

 公開 | 文:関 秀平(取締役副社長)

ノートパソコンの更新画面を確認しながら、手元のメモに印を付けている様子

2026年に入り、PHP本体とWordPress本体の両方で、コード実行につながるおそれのある重大な脆弱性が公表され、修正版が出ています。WordPressのサイトをお使いなら、PHPとWordPressのバージョンを確かめて、修正版へ更新するのが先です。そのうえで、更新の手間そのものを減らしたい会社には、サイトを静的サイトに作り変える選択肢があります。この記事は2026年10月23日時点の情報です。

この記事では、何が起きたか、確かめ方、まずやる対策、静的サイト化という選択肢と、そこで失うもの、移行の進め方を順に書きます。WordPressは、更新を続ければ使い続けられます。更新の手間が負担になっている会社のために、作り変えの内容と料金は脱WordPress(静的サイトへの作り変え)にまとめています。

公開されている脆弱性の整理

最初に、公式の情報で確認できる範囲を表にします。PHP本体の件とWordPress本体の件は別の話なので、行を分けています。CVE番号は、脆弱性に付けられる識別番号です。

対象番号公開・修正修正版いま分かっていること
PHP本体CVE-2026-109618、CVE-2026-109619修正版を10月21日に公開8.5.12/8.4.27/8.3.36/8.2.35リモートからのコード実行につながる重大な脆弱性。検証コード(PoC)は公開済み。カナダ・サイバーセキュリティセンターは悪用を把握していないとしているが、攻撃の試みの報告も出ている
WordPress本体(9月)CVE-2026-879022026年9月22日公開、7.1.2で修正7.1.2(古い版向けの修正版もあり、4.7系まで提供)サーバーの環境とテーマの条件がそろった場合に、ログインしていない攻撃者がサーバー上のPHPファイルを読み込ませ、コード実行に至るおそれ。公式は critical(重大)と説明
WordPress本体(7月)CVE-2026-63030(同時にCVE-2026-60137も修正)2026年7月17日公開6.9.5/7.0.2(CVE-2026-60137は6.8.6でも修正)REST APIの処理の不備から、コード実行に至るおそれ

PHP本体の脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)

PHPは、WordPressをはじめ多くのWebサイトの裏側で動いているプログラム言語です。今回の2件は、リモートからのコード実行につながる重大な脆弱性です。リモートからのコード実行とは、離れた場所にいる第三者が、サーバー上で意図しない処理を動かせてしまうことです。Webサイトの表示にPHPを使っているサーバーは、動かし方の種類(PHP-FPM、mod_php、php-cgi など)を問わず対象です。

修正版は、8.5.12、8.4.27、8.3.36、8.2.35です。php-srcの2件のセキュリティ情報(GHSA-w8hw-w9fx-j79w、GHSA-6wmf-4rv5-p3rp)では、10月21日に公開されています。php.netのPHP 8.5.12のリリースページには、更新を促す告知が出ています。

検証コード(PoC)は公開されています。カナダ・サイバーセキュリティセンターは、10月21日付の注意喚起(AL26-026)で、悪用は把握していないとしています。一方、セキュリティ各社からは、攻撃の試みやスキャンが観測されたとの報告も出ています。状況は短い間に変わりうるので、更新は早めに進めてください。

PHP 8.1以前は、PHP公式の修正版が出ません。レンタルサーバーやOSの提供元が修正を反映済みかを確認し、反映されていなければPHPのバージョンを上げてください。

WordPress本体の脆弱性(CVE-2026-87902、CVE-2026-63030)

WordPress本体では、7月と9月に、コード実行に至るおそれのある脆弱性の修正が公開されています。

9月22日に公開されたCVE-2026-87902は、サーバーの環境と、使っているテーマの条件がそろった場合に、ログインしていない攻撃者がサーバー上のPHPファイルを読み込ませ、コード実行に至るおそれがあるものです。WordPress公式は、critical(重大)と説明しています。修正版はWordPress 7.1.2です。古い系統(7.0.x や 6.9.x のように、最初の2つの数字が同じグループ)向けの修正版も出ていて、修正は4.7系まで提供されています。出典は、WordPress 7.1.2のリリース案内です。

7月17日に公開されたCVE-2026-63030は、REST API(外部のプログラムとWordPressがやり取りするための入口)の処理の不備から、コード実行に至るおそれがあるものです。6.9.5と7.0.2で修正され、同時にCVE-2026-60137も修正されました。CVE-2026-60137は6.8系にも影響し、6.8.6で修正されています。6.8より前の版は影響を受けないと、公式の記事は説明しています。また公式は、重大度が高いため、このときは自動更新を強制的に有効にしたと説明しています。出典は、WordPress 7.0.2のリリース案内です。

自社サイトは影響を受けるか:バージョンの確かめ方

WordPressのサイトは、PHPの上でWordPressが動く作りです。そのため、確かめるのは、PHPのバージョンとWordPressのバージョンの2つです。

WordPressの管理画面にログインし、「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」を開きます。「WordPress」の欄にWordPressのバージョン、「サーバー」の欄にPHPのバージョンが出ています。管理画面に入れないときは、レンタルサーバーの管理画面でも、PHPのバージョンを見られます。

出てきた番号は、次の点と見比べます。

  • PHPが、8.5.12/8.4.27/8.3.36/8.2.35 以降の版か。8.5、8.4、8.3、8.2のそれぞれで、この番号以降かを見ます。
  • PHPが8.1以前なら、公式の修正版が出ません。提供元が修正を反映済みかを確認し、反映されていなければバージョンを上げます。
  • WordPressの9月の件(CVE-2026-87902)は、お使いの系統の最新の修正版(7.1.2、または古い系統向けに出ている修正版)になっているかを見ます。
  • WordPressの7月の件(CVE-2026-63030、CVE-2026-60137)は、6.9.5/7.0.2 以降が目安です。6.8系は6.8.6以降で、6.8より前の版は影響を受けないとされています。
  • 系統ごとの版番号は、WordPress公式のお知らせで確認してください。7月の件では公式が自動更新を強制的に有効にしているので、自動更新が止まっていないか、いまの版と一緒に確認します。

最終的な判断は、公式の告知と、サーバーの提供元の案内で確かめてください。

まずやる対策

対策は、バックアップ、更新、整理の積み重ねです。順番は次のとおりです。

  • バックアップを取る。 更新で表示が崩れたときに戻せるよう、ファイルとデータベースの両方を取ります。
  • PHPを修正版にする(今回の件)。 同じ系統の中で、8.3.36 などの修正版に上げます。サーバー側で反映される場合もあるので、提供元の案内を確認します。
  • WordPress本体・テーマ・プラグインを更新する。 本体は、前の節の基準以降にします。テーマとプラグインも、更新の通知が出ているものは最新にします。更新後は、主要なページと問い合わせフォームを見ます。
  • PHPの系統を上げる。 php.netのサポート期限では、8.2は2026年12月31日でセキュリティサポートが終わります。8.3は2027年12月31日、8.4は2028年12月31日、8.5は2029年12月31日までです。WordPressの推奨環境は、PHP 8.3以上です。古いプラグインやテーマは新しいPHPで動かないことがあるので、切り替えたら表示とフォームを確認します。
  • 使っていないプラグインとテーマを削除する。 停止しているだけでも、ファイルはサーバー上に残ります。使っていないものは削除して、更新が必要な部品を減らします。

WordPressは、こうした更新を続ければ、使い続けられます。分かれ目は、この作業を誰がいつやるかです。社内に担当者がいない、制作会社との契約が終わっている、更新で表示が崩れるのが気になって止まっている、という会社は、次の選択肢も候補になります。

根本的な選択肢としての静的サイト化

静的サイトとは、表示用のファイル(HTML、CSS、画像など)だけで動くサイトです。WordPressのように、アクセスのたびにPHPがデータベースから内容を組み立てる仕組みがありません。

WordPressは、PHP、データベース、管理画面、プラグインと、サーバー側で動く部品が多い作りです。部品が多いと、更新が必要な箇所も増えます。静的サイトにすると、その部品が減ります。攻撃を受ける入口が減り、更新が必要な部品が減り、管理する範囲が小さくなります。いわば、サイトの仕組みを単純なところまで戻す作り方です。

実例として、playvalue.jp 自体も静的サイトです。ページの表示にWordPressもデータベースも使っていません。ブラウザで右クリックして「ページのソースを表示」を選ぶと、表示用のファイルで作られていることを確かめられます。

ただし、静的サイトでも、問い合わせフォームをPHPで動かしていれば、PHPの更新は必要です。今回のPHPの件も、フォームを動かすPHPに当てはまります。フォームをPHPを使わない仕組みにすれば、サイトとしてPHPを更新する作業はなくなります。

静的化で変わること・失うもの

良い面だけを書くと判断を誤るので、失うものを先に書きます。

  • 管理画面からの更新はできなくなります。文章や画像の差し替えは、ファイルを直す作業になります。この作業を代行してもらう形もあります。
  • プラグインの機能は、そのままでは移せません。コメント、会員、カート、予約、サイト内検索も同じです。外部サービスで代わりになるかを確認し、難しい場合は、先にお伝えします。
  • 検索順位は、維持を目指してURLと転送を設計しますが、変わらないとは言い切れません。

一方で、サイトの見た目と文章は、いまのものを移せます。サーバー側で更新する部品が減るので、バージョンの確認や更新の作業も減ります。

向き不向きの目安は、次のとおりです。ページ数が少ない。問い合わせフォーム以外に、サイト側で動かす機能がほとんどない。更新の頻度が低い。この3つに当てはまるサイトは、静的化に向いています。ネットショップ、会員、予約が中心のサイトや、記事を頻繁に更新するサイトは、WordPressのままが合う場合があります。

移行の進め方

静的化は、いまのサイトを残したまま、並行で新しいサイトを作り、確認してから切り替えます。流れは次のとおりです。

  • 現状の棚卸し。 ページ数、プラグイン、フォーム、外部サービスとの連携を書き出します。
  • 残す機能の判断。 そのままでは移せない機能について、外部サービスで代わりになるか、やめてよいかを決めます。問い合わせフォームを、PHPを使わない仕組みにするかも、ここで決めます。
  • URLの設計。 主要なURLは維持し、変わるURLは新しいURLへ転送(301)する設定を用意します。
  • 並行して作る。 文章と画像を移し、いまのデザインを再現します。作業中も、いまのサイトはそのまま公開されています。
  • 確認。 表示とフォームの動きを、公開前に確かめます。
  • 切り替え。 新しいサイトを公開先に設置し、ドメインを切り替えます。
  • 切り替え後の確認と保管。 転送の動きを確かめ、旧サイトのバックアップを保管します。

Play Valueの脱WordPress(静的サイトへの作り変え)

Play Valueは、福岡市の販売支援・集客支援の会社です。WordPressで作られた会社のサイトを、静的サイトに作り変えるメニューを、期間限定でお引き受けします。2026年11月30日までにお問い合わせフォームからご連絡いただいた分が対象です。全国へ出張でき、オンラインの打ち合わせもできます。

料金は、10ページ程度までのサイトの場合、2026年11月30日までのご連絡分が60,000円〜(税別)、12月1日以降のご連絡分が100,000円〜(税別)です。ページ数や機能で変わるので、事前に見積りを出します。作り変えの料金に含む内容は、次のとおりです。

  • いまの文章と画像の移し替え
  • いまのデザインの再現
  • 主要なURLの維持と、変わるURLの転送(301)設定
  • 問い合わせフォーム1つ
  • 公開先への設置とドメインの切り替え
  • 旧サイトのバックアップ

問い合わせフォームは、PHPを使わない仕組みで作るのを基本にします。この場合、サイトとしてPHPを更新する作業は不要です。

次のものは、別見積りです。

  • 11ページ以上の場合(ページ数に応じてお見積り)
  • デザインの作り直し
  • 新しいページの追加
  • ネットショップ・会員・予約などサイト側で処理する機能
  • 多言語
  • 画像の加工
  • AIO対策
  • 月額プラン(記事の追加・流入レポート)
  • 公開に使うサーバー・ドメインの費用(実費)
  • 福岡市・近郊以外への出張の交通費(実費)

AIO対策(AIの検索・回答で内容が読み取られやすくなるよう、サイトの内容と構造を整える作業)は、単発10,000円〜(税別)です。内容に応じて別途お見積りします。月額プランは月30,000円〜(税別)で、記事の追加(月5本まで)と毎月の流入推移レポートをまとめています。静的サイトには管理画面がないので、文章や画像の差し替えなど更新作業の代行も、このプランの中でご相談いただけます。作り変えだけでもご依頼いただけます。AIO対策と月額プランは、あとから追加できます。

内容と料金は、脱WordPress(静的サイトへの作り変え)のページにまとめています。ご相談は、お問い合わせフォームから受け付けています。

この記事は2026年10月23日時点の情報です。脆弱性の状況や修正版は更新されることがあるので、最新の情報は、php.net、wordpress.org、カナダ・サイバーセキュリティセンターの公式ページで確認してください。

よくある質問

この記事についての質問

フォームは、静的サイトでも設置できます。ただし、フォームをPHPで動かしていれば、PHPの更新は必要です。フォームをPHPを使わない仕組みにすれば、サイトとしてPHPを更新する作業はなくなります。Play Valueの作り変えでは、PHPを使わない仕組みで作るのを基本にします。現状を伺って決めます。

はい。WordPress本体、テーマ、プラグイン、PHPの更新を続けられる体制があれば、WordPressのままで使い続けられます。迷うのは、更新を担当する人がいない、更新で表示が崩れて止まっている、といった場合です。その場合に、静的化が候補になります。

下がる可能性はあります。維持を目指して、主要なURLを残し、変わるURLは転送(301)する設計にしますが、順位の結果は約束できません。切り替え後は、表示と転送の動きを確かめます。

自社の場合はどうか、を一緒に考えます。

記事の内容について、自社に当てはめるとどうなるかというご相談も承っています。